チャイにタピオカ、烏龍茶

美味しく育ちました

ロッキンユー!!!終焉といつかの透明少女に捧ぐ

はるか昔ですが私は1人の軽音部員でした

おそらくこの作者さんと同じ世代です

9mmを聴き ピロウズを聴き ゆら帝を聴き

そして、ナンバーガールを聴いていました

 

若者の時分によくあるような、ありふれた鬱屈とありふれた感傷を大脳いっぱいに溜め込んだ、ただの斜に構えた1人の高校生でした

「何も出来ないくせに何かがこれから出来るようになるはずだ、私は何者かになれる」と信じて疑わなかった時代です

でも、みなさんだってそうだったでしょう?

青春って、そんなものでしょう?

 

 

期間限定公開の時と併せて、おそらく全話拝読したと思います

この物語

きっと彼らが述べた「1人に刺さるための音楽」がまさにそれだったのでしょう

震えるほど真っ直ぐなその物語はまるで、昔の自分を思い起こさせるかのようで正直いい気持ちはしませんでした

なぜならばそれこそ「春の感傷」だから。

青春という春を今を生きる大人の私に喚起されても、それは苦しくなるだけ

でも、確かにその「春の感傷」を吸って吐いて、何者かになろうとして、もがいて、焦って、仲間を作って、訳もなく居残って練習した日々があったからこそ、今の私が存在することを不覚にも思い出してしまいました

埃と汗の臭いの充満した、狭い練習室の匂いが昨日の事のように蘇ってくることを、この漫画を通して思い出してしまいました

死ぬほど苦しんで、死ぬほど喜んで

あんな季節はもう二度とはないでしょう

それが幸せなのか、あるいはそうでないのかは今の私には判断しかねます

 

 

私はこの漫画を手放しでおすすめすることはありませんでしょう

それはこの漫画の評価のためではなく、この漫画が人を選ぶからです

高校生でバンドをやったことがない人にこの漫画の良さを伝えることが出来る自信がないのです

しかしただただ感謝するしかありません

 

 

昔の私を救ってくれて、ありがとう、と。

 

 

SO YOUNG